Mayumi Kataoka
STORY健康・医療

vol.34 ユーカリに人生をみる

与えられた環境や巡ってきた運を掴んできたまゆさんが、幼い頃から抱いていた心の声のままに歩むことにした、これまでとこれからのSTORY。

まゆさんがガイドする森林浴へ参加してみたら、想像以上の癒し効果に救われました。心が疲れて写真が撮れない時期を過ごしていた私に、もう一度「撮りたい」と思わせてくれたほどです。まるで森と一体化しているような、ゆったりとした落ち着きのある声と人を包み込むような配慮の後ろにあるものに興味を惹かれ、お話を伺うことになりました。

「自然と自分のサイクルを感じたり、植物と人間の体の共通点を感じたり、自分は自然の一部であることに気づくんです。」と森林浴の魅力をゆっくりと語るまゆさん。自然の中にいること、そして頼もしくも無邪気なまゆさんがそこに居ることに、なぜだかとても安心できてしまいます。「しっかりしているように見られるんですけど、男っぽくて結構ガサツなんです。だから、人前に出す時に失礼じゃないようにネイルをして自分が女性であることを感じられるようにしています。」とはにかみながら「本当にいろんな人に引っ張られてお世話になったので、どうやって返せばいいのかと思っています。」とオーストラリアで暮らす夢を叶えるまでの道案内をした人たちのことを話してくれました。

初来豪は1997年。職場でオーストラリア人女性と親交を深め彼女の住むシドニーへ。ワーキングホリデー中のアルバイト先で、同じビル内にオフィスを構えるIT企業の社長と毎日一緒にコーヒーを飲む仲に。「大好きなオーストラリアへ戻れるならなんでもする」というまゆさんへオファーされたのが、なんと3年後のビジネスビザサポート。彼の日本の関連会社にてソフトウェアの知識と経験を得るために帰国して就職。その約束どおり、呼び戻されて再来豪したのが2003年。その後社長の急逝による会社の閉鎖で、取引先への就職とビザが引き継がれ永住権もその会社がサポートしたという、仕事と人に恵まれ続けたまゆさん。もちろん、その気さくな人柄と真面目さがそれを実現させたはずです。

実は、空手とテコンドーをミックスしたマーシャルアーツ「Jidokwan」の黒帯の持ち主。先生が辞めるタイミングでその学校経営を引き継ぐことになり退職。まゆさんの落ち着きや芯の強さは、そこで培われたものだと合点がいきました。たまたまソフトウェア開発を始めることになったり、たまたま学校経営をすることになったり、と流れるようにキャリアを積んできたまゆさんですが、長い間やりたいと思っていたのは「写真」でした。幼い頃からフィルムやケース、カメラで遊んでいたまゆさんにとって、大好きだったウェディングフォトグラファーの祖父との幸せな思い出を繋ぐもの。しかし「写真ってビジネスになんてならない。どうやって食べて行くの?」と言う多くの声と、責任が重い仕事に自分が潰れそうなほどのストレスを抱えていたまゆさんを動かしたのが、ある日のユーカリとの出会いでした。

通い慣れた道にあるユーカリが夕陽を浴びて綺麗に色づいていることに気づきます。いつもそこにあった木を「意識して見た」のは初めてのこと。コンクリートの横に茂るユーカリは見失っていた自分の「強さ」を思い起こさせたそう。「ユーカリに人生を見る」と言い写真家として本格的に活動をはじめ、シドニーのKirribilli Marketで写真販売をするように。そんな中、インターネットで探し物をしていた時にふと目にしたものに「これが私の天性の仕事!ライフワーク見つけた!」と確信したのが「森林浴」。興奮してすぐ友人に電話をしたと笑います。

日本の森林セラピーガイドの資格を取得し「オーストラリアでできる私の森林浴を作りあげたい」と話すまゆさんからは大きな覚悟のようなものを感じます。「自分が幸せだったらそれでいい、という範囲から出ていかないと周りの範囲で終わるし、残るものがないと思ったんですね。マーシャルアーツで学んだのは、同じように教えてもみんな吸収の仕方も必要なものも違うし、受け入れる受け入れないは人それぞれ。だから、どこの森でどういう要素をとり入れたらその人が元気になるかをカスタマイズしたいんです。」とパーソナル森林浴をはじめたばかり。

自分の内から聞こえる声を信じて歩み始めたまゆさんは、とても穏やかで楽しそうです。まゆさんとの森でのエネルギーチャージ、あなたもぜひどうぞ。ハマってしまった私からのオススメです!


取材協力:片岡真由美さん(Mayu Kataoka)
撮影場所:Sydney
神奈川出身。ユーカリ写真家、森林浴コーディネーター。ワーキングホリデーの後2003年にエンジニアとして再来豪。マーシャルアーツ「Jidokwan」の黒帯を持つ。
https://www.organicphotography.com.au/

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オーストラリア・シドニー在住ブランドスタイリスト。グローバルに活躍する起業家のパーソナルブランディングを専門とする。書いた記事がキッカケで人生が飛躍する人たちが続出し、写真と文章で人を輝かせることが天職だと気づく。STORYは、Kimikoがこれまで出会った人生を楽しむ人たちを取材するライフワーク。
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