Keiko Tanaka
STORY芸能・スポーツ

vol.49 自然体でいるといい流れが来る

サッカーしかしてこなかった人生だけどやっぱりこれからもサッカーかな、と笑う景子さんのこれまでとこれからのSTORY

プロサッカー選手の日本代表というキャリアから、新しい道を模索するべく舞台をオーストラリアへ移した景子さんが、今見ている世界とは。

「日本代表に自分もなれる!! と信じ切ってました。君ならなれる、と誰にも言われたことないですけどね (笑) 今思えば取り憑かれてたんじゃないかと思います。マック行ってプリクラ撮って、という女子高生をやらずに学校から自宅へまっすぐ帰って自主練してました」

小学4年生でサッカーをはじめ、高校2・3年生でU-20日本女子代表に選ばれ、その後日本女子サッカーのなでしこリーグで9年間プレイしたのちにオーストラリアへ。現在、ナショナル・プレミア・リーグのグレイズビル・レイビンズに所属し、子どもたちへプライベートレッスンを行うこともしています。楽しく本気でサッカーをしながら、サッカー第1の人生からのシフトチェンジ中で、今は子どもたちへの教育にも興味があるんだとか。

これまで景子さんが経験した日本での練習環境は20人にひとりのコーチというグループで、技術や考え方などの細かい指導を受けたことはありません。質より量だと信じて毎日がむしゃらにしたあの時間を、もし個別指導に充てていたら…と考えることもあり、子どもたちがすうっと受け入れやすい伝え方を身につけたいとも話します。それは、先輩たちからの助言を聞き流していた過去があるから。その道の経験者のことを聞いた方が早い成長につながる、と今になって思うと。

「なんでも体験してはじめて腑に落ちる頑固なタイプだけど、なんにでも興味がありとりあえずやってみる」という精神が発揮されたのが、オーストラリアに来た直後からの全くの予想外な生活。シドニーへ降り立ったのは2020年1月。3月に入り新型コロナウイルスによるロックダウンで、練習も試合もできない自粛生活に直面します。そんな中、知人の勧めでYouTubeチャンネルを開設し、あえて得意ではない英語での配信にチャレンジ。開き直ってさらけだすと楽しくなっていったと話します。

「ひとりでオーストラリアに来て、何もわからない、知らないところから始まって。でも今帰国しても何もない。日本のサッカー界で働く道もあったんですけど、一度外へ出て他の選択肢を探ろうと思って来たので。そして気づいたのは、ひとりで何かをやっていくというのはむいていないんだなと思っています。いつも周りの人たちがチャンスをくれたり、モチベーションを与えてくれたりと助けられています」

実は、景子さんを取材したら? と筆者へ推したのもサッカー仲間で、今まで出会ったことのない業界の人たちとの出会いもどんどん広がっている様子。周りにたくさんの人がいながらの撮影も全然気にならず楽しめる彼女が、一番大切にしているのは「リラックス」すること。自然体でいるといい流れが来ることを幾度かの怪我をして学んだと言います。

「試合で興奮状態が過ぎると本来の力を発揮できず空回りするんです。無理できるときに怪我しやすい。ハイになって戦える自分以上のパワーがでるときは、冷静なら避けてやらないことをして、怪我をしたりします。80%が私の100%。無理をしないことを覚えました」

嫌なことも寝たら忘れてくよくよしない、という性格も自然体でいられる秘訣のようです。オーストラリア生活も2年が経ち今感じていることを伺うと、サッカー以外の道も探してみたけれど、一周回ってやっぱりサッカーかなと笑います。

「サッカーしかしてこなかったけど、そこから学んだことはたくさんありました。特にチームプレーの中で、自分の強みをどう活かすか。いろんな分野で仕事をする人たちと話していても、みんな違った体験から似たようなことを学んでいることも知りました」

シドニーで培った人脈を活かして日本とオーストラリアを繋げるようなことをしたい、という想いがふつふつとしているようです。新しくチャレンジしたいことを見つけたら、今度は先人たちのことに耳を傾けながらまた走り抜けていかられることでしょう。「日本代表になる」と決めて夢中でボールを蹴っていたあの頃のように。


取材協力:田中 景子さん(Keiko Tanaka)
撮影場所:シドニー
神奈川県出身プロサッカー選手。2020年よりオーストラリアのナショナル・プレミア・リーグのコアラズFCに所属し、2021年からグレイズビル・レイビンズへ。高校生でU-20日本女子代表に選ばれ、2019年まで日本女子サッカーのなでしこリーグで活躍する。

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オーストラリア・シドニー在住ブランドスタイリスト。グローバルに活躍する起業家のパーソナルブランディングを専門とする。書いた記事がキッカケで人生が飛躍する人たちが続出し、写真と文章で人を輝かせることが天職だと気づく。STORYは、Kimikoがこれまで出会った人生を楽しむ人たちを取材するライフワーク。
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