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vol.45 あの時の自分を思い出せる場所 – joidea.media
Eriko Toya
STORY健康・医療

vol.45 あの時の自分を思い出せる場所

オーストラリアに何度も訪れる絵里子さんの、自宅でも職場でも介護一色なこれまでとこれからのSTORY。

「おかえり」と帰国時に迎え入れてくれる友人の存在がどれほど幸せなことか、は海外生活者ならわかるはず。ゆったりと温かな心遣いに感激したのは数えきれず。人のお世話に喜びを感じる絵里子さんのオーストラリアとの関係とは。

千葉県で施設ケアマネージャーとして働く絵里子さんは、一時的に介護が必要になった方が自宅へ戻るまでのリハビリやケアプランをつくり、また帰宅後も義母の介護をするという生活。その暮らしに彩りを添えるのが、デイサービスを利用する日の夫婦だけでの食事。外食メニューを家で再現するために、普段使わない食材で料理することにハマっているそうで「この間は特大のハンバーガーを作って食べた。食べるのが好きなの」と笑います。また、映画とドラマ、アニメや漫画をみることで、なにも考えない時間があるとストレスを忘れられていいとも。

絵里子さんが人のお世話をするようになったきっかけは、同居するおばあちゃんを介護していた母親とのやりとり。小学5年生のある日

「母が仕事から帰って来る前に、家族みんなの分のお味噌汁とご飯をつくったの。今思えば、だしの入っていない味噌風味のお湯だったんだけど(笑) でも、母がすごく喜んだのが嬉しくて。そこから、少しずつ手伝うようになったの」

3人兄弟の末っ子であり親戚の中でも一番小さかった絵里子さんにとって、面倒を見てもらう側から人のお世話をする側になり、それを手放しに喜んでもらえた体験がその後の道をつくることに。

短大で保育士と介護福祉士の免許を取得し、児童養護施設に就職。寮生活をしながら勤務する約2年で精根が尽き果てるほど懸命に働きます。自分をリセットするためにオーストラリアにワーキングホリデーで訪れたのが24歳の2002年。海外はいつか行くものだと思っていた絵里子さんにとって「行くなら今かな」というタイミングだったそう。それは、父親の仕事の関係で海外から訪れる人をお世話するホストファミリーをしていたことや、母親も24歳でイギリスへ留学したという家庭環境で育ったから。渡航先にシドニーを選んだのも、受け入れた家族が住んでいたのが理由です。

「絵里子はこれと決めたら他のことが目に入らない」とパートナーが笑うほどに頑張る彼女は、シドニーで保育士として勤めすぐに入院することになります。風邪をこじらせてリンパ腺炎にかかり二週間ほど入院。「オーストラリアへ行く前にお金を貯めようと思って、2つのバイトを掛け持ちして半年くらい働いたの。毎日の睡眠時間が2-3時間で無茶して無理がでた(苦笑)」この時毎日お見舞いに駆けつけたのが現在のパートナー。絵里子さんらしいな、と思うのが結婚式の招待客の顔ぶれ。友人をはじめ、自宅療養中に面倒をみてくれたホストファミリーたちや担当した看護師まで。お世話になった人たちとは今でも繋がっていると言います。

回復後はオーストラリア全土をラウンドするという充実のワーキングホリデーメーカー。長距離列車のインディアンパシフィックでシドニーからエアーズロック、西海岸のパースへ抜けて南側をぐるっと巡り、ひとりで行ったバイロンベイやバンダバーグでは、ピッキングのアルバイトでトマトとパプリカを収穫。様々な国から集まった人たちと毎日のように飲んだり食べたり話したりしたことが、本当に楽しかったと振り返ります。

渡航前は、自分に自信がなかったと語る絵里子さんは、「何も怖くないしなんとかなる、というストレスのスの字もないハッピー脳」で帰国。ここで働きたい! とインターナショナル保育園へかけあい、就職へこぎつけるほどの勢いだったと言います。約2年半の勤務ののち再び海外へ。バックパッカーとしてタイ、インド、ベトナム、カンボジアを周りシドニーへも立ち寄ります。介護職へ転職後も仕事の休みを利用して、結婚式へ参列したりご自身の結婚式や誕生祝いで、シドニーを頻繁に訪れています。

介護の現場で10年の経験を積み施設ケアマネージャーへ就任すると同時期に、思いがけず義母との同居がスタート。認知症だとわかっていながら怒ってしまうことに罪悪感がつのることや、できるだけ自宅で面倒をみたいという親を大切に思う家族の気持ちもわかるようになったそう。そんな絵里子さんには、介護相談のよろず窓口として地域包括支援センターで働きたいという目標が。「今は、家での介護が限界になった人を見ているけど、将来的には自宅介護で困っているひとをお手伝いできればいいな」と主任ケアマネージャーの資格取得を目指しているそう。

「疲れたらオーストラリアで休憩。あの時があったから今がんばれる、大丈夫」

そう言いながら、今日も奮闘している様子が目に浮かぶようです。


取材協力:戸谷 絵里子さん(Eriko Toya)
撮影場所:東京・シドニー
千葉県野田市在住。施設ケアマネージャー

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オーストラリア・シドニー在住ブランドスタイリスト。グローバルに活躍する起業家のパーソナルブランディングを専門とする。書いた記事がキッカケで人生が飛躍する人たちが続出し、写真と文章で人を輝かせることが天職だと気づく。STORYは、Kimikoがこれまで出会った人生を楽しむ人たちを取材するライフワーク。
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