Kazuko Eguchi
STORY家庭

vol.27 父からのプレゼント

とても素敵なご主人と二人の息子は父からのプレゼント、と言うKazukoさん。思わず涙した感動のストーリーです。

両親のシドニー旅行中に撮影して欲しい、と親しい方より依頼を受けたのが2018年のこと。とっても仲良しなご夫婦とはそれ以来懇意にさせていただき、Kazukoさんがコッソリ教えてくれた素敵な家庭を築くヒントをもっと聞きたい!と逗子までやってきました。

Kazukoさんは、親戚一同が集まる席で

「吉光さんとは結婚したけど、○○家の嫁とか考えたことありません」

と無邪気に言い放った福岡出身の女性。長男の結婚相手が両親と同居する、が当たり前な同県の柳川に住む人たちが凍り付いたのは想像に難くありません。Kazukoさんが相手の「家に入る」という概念を持ち合わせていなかったのは、ミッションスクール(キリスト教主義学校)へ通い、3組の親子が同居していたという少し特殊な家庭環境が背景にあります。

母親を幼くして事故で亡くしたKazukoさんの「家族」は、父親、再婚相手の育ての母、その娘である妹、そして父方の叔母とその息子も含みます。30歳で父親を亡くした際にこの関係性が絶妙なバランスで成り立っていたことを知ったKazukoさんは、それまで知らなかった家族の事情が明るみになり「何が正しいかわからない」と精神を病んだ時期もあったと。それでも、平和な家庭の中でちゃんと育ててもらったし、とても感謝している大事な存在だと話します。

お見合いをさせられる年頃になり、勤めた会社を退職して憧れのアメリカを横断する2ヶ月のプログラムへ参加したのが23歳。同プログラムで出会った大学生と恋に落ちるも、日本で待つ彼女がいる彼とは帰国すればもう会えない、と降り立った成田空港にはサプライズで迎えに来ていた父親が。たまたま帰りの電車が同じだった彼と父親が野球の話で意気投合。数ヶ月のちに、その彼がKazukoさんと父親に会い来ることになるのです。

その後めでたく結婚し男の子を二人出産したKazukoさんご本人には、生後すぐ亡くなったり生まれてこれなかった二人の兄弟が。父は男の子が欲しかったのよね、と「父への唯一の親孝行が男の子ふたりを産んだこと」と語ります。ご主人と息子さんたち3人を「父からのプレゼント」と言うKazukoさんの姿が涙で滲んでしまいました。

「正しいと信じていること、は職場でも家庭でもどこででも言ってしまうのよねー。」と笑えるのは、何があっても父が絶対助けてくれる、と信じて疑わずに育ってきたからこそ。亡き父はいつでもKazukoさんを守る存在のようで、自分のために嫌な仕事を続けて欲しくない、とご主人を促し退職が決まると、Kazukoさんの勤務先の配置換えでお給料が倍になり不安なく暮らせたこともあったとか。ほんとに不思議、と時折娘の顔を見せるKazukoさん。

息子ふたりに対しても正直であり続け、家族の大事な節目を支えているKazukoさんの中に、お会いしたことのない父親の存在が見えるようです。ご夫婦とも70歳を越えた今もとっても仲良しなのは、お互いに思うことを伝え合い、支え合ってきたからだとお見受けしました。受け取ったプレゼントを大切にしながら毎日暮らすKazukoさんを、空から見ているお父さんは、生涯書き続けた日記のページを増やし続けていることでしょう。


取材協力:江口 和子さん
撮影場所:逗子
妻、母。趣味はダンス。福岡県出身。

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オーストラリア・シドニー在住ブランドスタイリスト。グローバルに活躍する起業家のパーソナルブランディングを専門とする。書いた記事がキッカケで人生が飛躍する人たちが続出し、写真と文章で人を輝かせることが天職だと気づく。STORYは、Kimikoがこれまで出会った人生を楽しむ人たちを取材するライフワーク。
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