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vol.37 努力と根性と直感 – joidea.media
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vol.37 努力と根性と直感

Yuka Konno

「あの時はなんで自分なんだろうって思ったけど、人生の積み重ねがその人しか描けない絵になる」と苦労の連続だったゆかさんの、これまでとこれからのSTORY。

バウ・リニューアル(家族同士の絆を確かめるお祝い)で結婚14年目の家族写真が出来上がったばかりのゆかさん。その撮影の背景にあった想いを伺い思わず涙。花と仕事をする華やかなイメージからは想像もつかなかった、ゆかさんの生い立ちと今の暮らしを手に入れるまでに乗り越えた数々の出来事を伺いました。

「家族をつくることに憧れていたんです。母はシングルマザーで、私は父を知らずに育ちました。今は父にも会い仲良くしてますけどね。普通にお父さんがいる生活ってこんなに幸せなんだよって子どもに言いたい(笑) 当たり前だからわかりませんけど。家族写真を撮ることは、自分の夢を叶えることだったんです。」

靴下も買えなかったところから、好きな服を買ったり子どもに習い事をさせられるようになったのはここ最近だという13年の結婚生活。今では、オーナーシェフのご主人とビジネスを立ち上げたゆかさん、そしてチアリーディングが大好きなふたりの娘さんの笑顔が溢れています。「9年も主婦だったし何かが特別にできたわけではない。努力と根性と直感だけでここまできた。」と話すゆかさんは、「小学3年生で心臓の手術をしたさいも、母は仕事で忙しくお見舞いに来なくて寂しかった」と、小さな頃から一人で頑張ることを自分に課してきたようです。

高校卒業後に渡米し帰国後は英語教師としてキャリアを積みます。シドニーで就職し、そこで出会った現在のご主人とカナダへ赴任。妊娠にも気づかなかったという多忙な中、入籍して1ヶ月後の妊娠8ヶ月で死産を経験。

「どうして赤ちゃんはこの特殊な病気を持ってしまったんだろう。なんで20代の私なんだって。誰にも言えなかったのは一番辛かったです。火葬前にコインを2枚入れてそれぞれのお守りにするつもりが、1枚しか出てこなくて。辛さを忘れたくて別れを切り出すつもりが、赤ちゃんが1枚持って行ってしまって、一緒にいなさいと言われた気がして。」

シドニーへ戻り再度の妊娠で「この命を守りたい」と退職。出産以降、シェフとして独立を目指すご主人の長い下積み生活の支えになります。ゆかさんが自分の人生を深く考えるきっかけになったのは、命の危険が伴う持病の緊急手術で1ヶ月間動けなかったこと。自分の思いや感情を押し殺してきた積み重ねが病気をつくってきたことを知り、「家族に迷惑をかけたし、もうこんな苦しい思いはしたくない。自分にわがままに魂が喜ぶことをしようと。」

その想いが2019年に形になり「HANANINGEN Sydney」をオープン。フローリストとしてオーストラリアの州大会で優勝するなど実力と独特な世界観を持ち、その活動はシドニーのローカル新聞やラジオでも取り上げられ、スタジオを訪れる人やアレンジメントの注文が後を絶ちません。頭に花を飾り写真撮影をするHANANINGENは、人が自然と共存するための札幌発のプロジェクト。釧路に生まれ幼少期は山や自然を遊び場とし、思春期を過ごした札幌。そのコンセプトに共感しライセンスの取得で地元へ戻ることになるとは、なんだか運命的なお話。

「人の痛みもわかる経験をし、あの時はなんで自分なんだろうって思ったけど、人生の積み重ねがその人しか描けない絵になる。悲しい時も嬉しい時も人の心に寄り添えるお花は、人生の節目にお渡しするもの。花一輪で人を幸せにすることができる。」と。ほんの数年前まで、周りの目を気にして自分の写真もSNSへ投稿できなかったというゆかさんが、今、人間と自然が共存することでこんなにも美しい世界が描ける、と熱い想いを発信しています。

「夢は母に私のHANANINGENを体験してもらうこと。ぶっ飛んでいる母は、いまだに私が何をしてるか、分かってないんです(笑)」

ピアノの弾き語りをするミュージシャンから、不動産業の女社長へ転身し事業を成功させた母親の背中を見て育ったゆかさん。その感性とビジネス脳が受け継がれているのは間違いないようです。私もゆかさんの世界に触れようっと!あなたも一緒にいかが?


取材協力:今野 有加さん(Yuka Konno)
撮影場所:Sydney
北海道釧路市生まれシドニー在住。HANANINGEN Sydneyを運営するフローリスト。
https://puppeteerflower.com/

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